【オフィシャル】人形町今半

すき焼弁当物語

2025年12月11日
すき焼弁当(イートイン商品)

昭和27年、人形町今半が浅草今半の支店として人形町に出店した頃です。
普段着に下駄ばきで、ふらりといらっしゃるお客様にご贔屓いただいていたこの時代、当社創業者の髙岡陛(のぼる)は、粋でいなせな下町気質のお客様のご要望をかなえることに夢中になっておりました。
そんな時、夜の営業中のことです。レジに一本の電話がはいりました。
「すき焼を炊き上げて雀荘に持ってきてくれ」
ご常連様からのご注文でした。
初めてのお出前のお電話が「すき焼弁当」を誕生させました。電話を受けた髙岡陛は、どじょうの柳川鍋のイメージをもとに、塗りのお重一段目にご飯と漬物、二段目に炊きあがったすき焼を鍋ごと入れ、お客様にお届けしました。
お重のふたを開けると広がるすき焼の香りに刺激され、その夜は他の卓からもご注文をいただき、3回お出前を運んだそうです。

このときご利用いただいたお客様から、ご自身の経営する会社の役員会に届けて欲しいと重ねてリクエストを頂戴するようになりました。
出前を重ねるなか、より温かいまま、より美味しく、より風味を逃がさない工夫を重ね、保温性の高い厚手の陶板鍋と、それを納める堅木を丸く掘り出した重箱を作りました。炊き立てのご飯と熱々すき焼の美しい2段重弁当箱を開発したのです。

「すき焼弁当」の人気が高まり、様々な地域やお時間にご要望をいただくようになると、熱々できたての「すき焼弁当」をお届けするだけでなく、冷めた時にも美味しい「すき焼弁当」の必要性が高まってきました。お肉の部位、お野菜、割下、卵、火入れと容器に工夫を重ね、常温で美味しい「すき焼弁当」を新たに開発しお届けするようになりました。
いま、お届けの「すき焼弁当」は、牛肉の部位によってお好みの味わいをご提案し、人形町今半伝統の丸い2段弁当で首都圏と名古屋エリアのご希望の場所とお時間にお届けしています。
そして首都圏に展開する精肉惣菜店では、店舗で販売している様々な切りたての精肉を使って店内で調理した「すき焼弁当」をご提供しています。

人形町今半の歴史とともに進化してきた「すき焼弁当」。様々なお客様の食卓シーンに合わせてお楽しみいただけるように、これからも進化させて参ります。