【オフィシャル】人形町今半

夏のすき焼

2025年08月08日

冷房のなかった昭和の時代、夏場はどうしても熱い鍋物は敬遠されがちになり、いわゆる「夏枯れ」シーズンとなります。人形町今半初代社長・髙岡陛(のぼる)は毎年頭を悩ませていました。
アイデアマンであった髙岡陛は、夏でもさっぱりとお召し上がりいただけるメニューの開発に夢中でした。

オイル焼とポンズすき焼

そこでまず作り上げたのが、いわば高級焼肉である「オイル焼」です。小口に切り出したヒレ肉を、お客様の目の前ですき焼き鍋で焼いてお召し上がりいただくスタイルは、鍋ものにつきものの湯気がなく、“ご馳走感”がご好評をいただくこととなりました。
重ねて、さっぱりとお肉を召し上がっていただくため「ポンズすき焼」を開発しました。たっぷりの新玉ねぎと牛肉を、ニンニクをきかせたポンズで炊き上げ、溶き卵ではなく大根おろしと一緒に召し上がっていただく特別なすき焼です。酸味とともに牛肉をお楽しみいただく「ポンズすき焼」は、近隣の水天宮様にお参りの妊婦さんに特に喜んでいただける味に仕上がりました。

現在でも、人形町本店では通年でお召し上がりいただける2つのメニューです。

すだちすき焼

そして2018年からは、新たな夏すき焼として「すだちすき焼」をご提供しています。
人形町今半が追求してきたすき焼そのものの美味しさにプラスして、夏場にさっぱりと召し上がっていただきたいメニューです。
数ある柑橘のなかから、品を兼ね備えたすだちを選び、酢橘の爽やかな香りとほのかに酸味のある特製割下を完成させました。さらにすき焼を炊く直前にも鍋にすだちをしぼり入れ、香りを楽しんでいただきます。

また、ヒレ肉をお楽しみいただけるのも特徴の一つです。
ヒレ肉は、「すだちすき焼」用に開発した「絹おろし(口に入れた時に、より滑らかな食感になるように追及して完成させた特製の大根おろし)」と一緒に召し上がっていただきます。絹のような大根おろしが、つるりとお肉を召し上がれるようになっています。
あわせるザク(野菜)も、リコピンやビタミンが豊富なトマト、水ナスなど夏の養生に効果のある夏野菜です。

〆に召し上がっていただくのは「うどん」。年によって、さぬきうどん、葛うどん、氷見うどんと種類を変えてご提供しています。
すだちの旬にあわせて、例年5月中旬から8月いっぱいご提供する、人形町今半の夏を代表するメニューとなった「すだちすき焼」。
毎年、進化を続けておりますので、夏すき焼の最前線をお楽しみくださいませ。