僕の場合、典型的な文系の就活で、当初は気になる会社を手当たり次第に受けていました。でもそういう受け方は、うまくいかない典型でもあります。落ち続けて、「自分が本当にやりたいことは何か」を改めてじっくり考えました。
僕は長くファーストフード店でアルバイトをしていました。そこでの接客は、とても楽しかった。けれど社員になってまでファーストフード店の接客をやりたいとは思えなかった。だったら、もっとハイレベルな接客ができる外食へ行けばいい。そして見つけたのが、人形町今半でした。 |
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一ヶ月ほど基礎的な研修を受けて、本店に配属。ここから厳しい調理実習が始まりました。「厳しい」というのは理由があって、僕はそれまで満足に包丁すら握ったことがなかったのです。そんな人間がベテランの調理人から料理を教わるわけで、僕にしてみれば基礎の基礎すら厳しい修行でした。
さらに恐ろしいことに、人形町今半では、調理とサービスが一体になっているのです。すき焼きも鉄板焼きも、お客さまの目の前で調理して取り分ける。厨房でコツコツ野菜の皮をむく期間はわずかで、少しずつでも、お客さんの前で調理していかないといけないのです。
3週間目に、野菜を焼くよう言われました。震えました。「このピーマンの産地はどこ?」と聞かれて答えられない若造が焼いて、お客さまからお金をいただく。嫌で怖くて、逃げ出したい気分でした。 |
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どんな仕事でもそうだと思いますが、自分から教えてもらう環境を作らないと勉強はできません。怖いからと焼かずにいれば、だれも焼き方は教えてくれない。僕は冷や汗をかきながら野菜を焼いていました。
3ヶ月目には、たまたま新規出店で人手が足りなくなったため、異例の早さで肉を焼き始めました。
その緊張とプレッシャーは言葉にできませんよ。僕は必死で肉の焼け具合を見つめていました。ミディアムレアって、これでいいのか、って。
念のために言いますが、いきなり「今日から肉な」と言われるわけではありません。厨房には練習用の食材模型があって、ぼくら新人はヒマさえあれば練習をしています。僕はソテーライスを習得するために、道具を自宅に持ち帰って、ご飯の代わりに塩を使って何度も何度も練習しました。そうして先輩たちの前で実際に焼いて見せ、合格をもらってからでないとお客さまの前では焼けません。人形町今半の名に恥じるような料理は出さない仕組みができています。 |
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野菜、ソテーライス、肉、そして最終関門の魚介類まで、なんとか社内試験にパスして、ようやくお客さまへのサービスにも気が回るようになりました。「今度は指名してあげるからね」なんて言われると、最高にうれしいですよ。
ただ、自分としてはやはりホール担当希望。正直、今はものすごく不思議な気分なんですよ。調理をやるつもりなどまったくなかった自分が毎日肉を焼いて、しかもそれがどんどん上達して、楽しくなってきている。このまま焼き続けたい気持ちもある。でも結局は本気でプロの調理人を目指す人に勝てないと思うのです。
次のゴールデンウイークが明けると、調理実習も卒業です。とても寂しいけれど、この経験を踏まえて、僕はサービスを極めていきたい。本当の修行は、これから始まります。 |
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中学からやっていた卓球も、社会人になってからはご無沙汰。普段の休みは、申し訳ないくらいダラダラ過ごしています。たっぷり寝て、起きたらマンガを読んだりゲームをしたり。まだ学生気分が抜けていない感じです。ただ僕の隠れた趣味が絶叫マシンで、たまに同期と遊園地へ。早くまた行きたいですね。 |
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